採用業務を効率化させるメリットと10の改善&求人方法を徹底解説

「業務効率化」は採用業務において課題となる要素の1つです。

採用業務の効率を上げることで、業務負担の軽減や採用コストの抑制が実現できるほか、優秀な人材を確保する上でも「欲しい人材に素早くアプローチできる」メリットがあります。

この記事では、採用業務を効率化することで得られるメリットと、採用業務の効率化が期待できる方法を紹介しましょう。

基本的な採用業務の流れと効率化するメリット

採用業務を効率化することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

基本的な採用業務の流れを振り返りながら、採用業務を効率化するメリットをみていきましょう。

基本的な採用業務の流れ

採用の業務フローは、主に以下の工程にわかれています。

採用計画の立案

経営課題や事業戦略、採用人数などをもとに、採用活動の内容やスケジュールを策定し採用計画を立てる段階です。

採用活動に向けた具体的な準備とは「自社の求める人物像の明確化」「自社の魅力の言語化」「採用フローの構築」「利用する採用媒体の選定」「採用面接官の人選や教育」などがあります。

募集活動

採用計画をもとに、採用ターゲットを集めるために採用予算内かつ効率的な方法で募集活動を行う段階です。

自社の求人を正しく、かつ魅力的に伝えていくための求人情報の作成も大切な業務となります。

具体的な募集方法は、求人媒体や人材紹介サービスのほか、自社採用サイト、SNSを活用したプロモーション、社員紹介、採用イベントなどです。

応募者の選考、面接

応募者が集まったら、書類選考や説明会、筆記試験、面接などを通じて選考を行います。

求職者が有利とされる売り手市場の中、応募者は複数企業の選考を受けているため、競合企業と比較されていることを視野に入れながら、選考を通じて自社への理解と動機付けを図り、自社への志望度を高めていくことが重要です。

早く内定が出た企業への入社を決める応募者もいるため、応募から内定までの期間をできるかぎり短縮する工夫も必要になります。

内定出し、入社までのフォロー

内定を出したら、次は内定者に通知して入社意向を確認するステップです。

中途採用の場合は、内定前後に入社後の処遇を決める条件面談を行う場合もあります。

複数企業の選考が同時に進んでいる場合、内定者の状況を確認しながら適切にフォローすることも大切です。

内定辞退を防ぐためにも、こまめに連絡や確認を行いながら必要に応じて社内見学や社員とのコミュニケーションの場を用意したり、内定者研修や内定者ランチなどのフォローを行ったりしましょう。

入社手続き

あらかじめ決められた入社日に、内定者を迎えます。

入社後に困ることがないよう、入社するまで丁寧なフォローが重要です。

採用業務を効率化するメリット

採用業務の効率化を図ると、以下のメリットが得られることが期待できます。

それぞれ詳しくみていきましょう。

人事部の負担を軽減できる

採用業務を行うにあたっては、人事担当者が通常業務を採用活動と並行して行うことがほとんどです。

採用活動には「応募者とのコミュニケーション」「面接日程の調整と面接」「内定者へのフォロー」など、さまざまな業務が含まれます。

日々の業務と並行して採用業務を進めると、素早く採用活動を行えないばかりか、企業の人事計画に支障をきたしてしまう可能性があるのです。

採用業務における人的リソースが不足する事態を防ぐためにも、採用業務を効率化しながら人事担当者の業務を適正化する必要があります。

優秀な人材が確保できる

採用業務を効率化して無駄な業務を削減すると採用期間が短縮できるため、スピード感を持った採用活動を行うことができます。

加えて応募者との関係構築や相互理解など、応募者を深掘りするためのアプローチに時間を割けるため、応募者の活動途中での離脱や辞退を防ぎ、優秀な人材の確保が可能になるのです。

採用業務における主な課題とは

採用業務の効率化にあたり、効率化が難しい部分が一部存在します。

効率化が難しい採用業務とはどのようなものか、具体的にみていきましょう。

対応募者や社内でのコミュニケーションに負担や工数がかかる

採用業務は応募者とのやり取りのほか、他の採用担当者や面接官や役員とのコミュニケーションが多く発生する業務です。

優秀な人材を確保するためにも、応募者とのコミュニケーションを減らしてはいけません。

面接官や採用エージェント、採用の決裁者との調整も重要です。

採用業務上で発生したコミュニケーションは定量化や自動化が難しい部分でもあり、採用の効率化を妨げます。

コミュニケーションを効率化することは難しいため、その他の業務でより効率化できる部分はないかを検討しましょう。

新しい取り組みや改善策の実施に負担や工数がかかる

自社の希望する人材が集まらないことに問題意識を抱き、採用業務の質を上げたいと考える企業もいるかもしれません。

しかし採用業務の質を上げるために新しい取り組みや改善を試みると、採用業務の負担が増大することがあります。

新しい取り組みや改善による成果はすぐに現れず、目に見える形になって現れるまでにはかなりの時間を要するため、成果が表れるまでは増大した負担ばかりを背負うことになるのです。

システム化が難しい業務が多い

採用業務には、システム化が難しい業務が多い傾向があります。

採用業務全体でみると一連の流れを繰り返す業務が多い一方で、応募者1人ひとりの事情は異なり、内定後にスムーズに入社を決める人もいれば、入社を迷っているという人もいるため、システム的に対応できないのです。

例えば、面接日程の調整は他の採用業務の中でもシステム化しやすい業務ですが、実際には日程調整の連絡をする過程で、応募者から志望度や活動状況をヒアリングしたり、面接官と情報共有や面接スタンスの調整をしたりしている部分があります。

安易に採用業務をシステム化してしまうと、業務を進める上で必要なコミュニケーションが阻害されてしまい、採用したかった人を取りこぼしてしまう問題も生じる可能性もあるのです。

採用業務を効率化する6つの改善方法・システム

実際に採用業務を効率化するうえで、どのような改善方法があるのでしょうか。

採用業務の効率化が期待できる改善方法と、効率化に活かせるシステムやサービスをみていきます。

採用フローの見直し

採用業務の効率化を行うにあたり、現在の採用業務を見直し、「担当者が長い時間を割いている業務はあるか」「工数が多すぎると感じる業務はあるか」といった改善箇所を確認しましょう。

改善が必要と思われる部分を探し出したら、何を改善すれば生産性が向上するのか考えます。

採用業務の改善と見直しを行う場合、「ECRSの法則」に則って考えることが有効です。

ECRSの法則とは「Eliminate（排除：取り除く）」「Combine（結合：つなげる）」「Rearrange（交換：組み替える）」「Simplify（簡素化：単純にする）」の頭文字を並べたもので、E→C→R→Sの順に改善内容を検討し実施することで、適切な優先順位で業務改善を実践できます。

システムによる自動化

従来のExcelを活用した管理方法では同時に複数の職種や雇用形態の求人を出す場合、応募者の管理や面接、選考の進捗管理がかなり煩雑になるため、手間と労力がかかることが少なくありません。

採用管理システムを導入することで、採用業務の一部を自動化できます。

採用管理システムを活用することで、エントリーフォームを「正社員」「契約社員」「派遣社員」「パート」と雇用形態ごとに分けて管理することが可能です。

また、どの応募者がどの雇用形態・職種で応募したかを記録できるため、手間をかけずに分類した状態で管理することもできます。

評価基準の具体化

人事担当者には、人材を求めている部署とコミュニケーションを図り、希望する人材が求める要素を把握して明確な採用基準を可視化することが求められます。

評価基準の具体化により、「入社したが、こんなはずじゃなかった」といったことを理由に離職してしまったり、部署のニーズと新入社員のスペックが合わず宝の持ち腐れになってしまったりなど、人材と会社や部署間でのミスマッチを防ぐことも可能です。

採用代行（RPO）サービスの利用

採用代行（RPO）とは「Recruitment Process Outsourcing」の略であり、採用活動にまつわる業務を企業に代わっておこなう「採用代行サービス」のことを指します。

採用代行サービスでは採用のプロが面接を行うため、自社の工数を削減しながら採用基準に適した人材を確保できるでしょう。

人事採用部門が人材不足で新しく人を補充する場合、人件費や教育コストがかかります。

採用代行サービスを利用すれば、人材を採用するよりもコスト削減につながるケースが多いでしょう。

採用管理システム（ATS）の導入

採用管理システム（ATS）とは「Applicant（応募者）」「Tracking（追跡）」「System（システム）」の略語で、求人募集や応募受付、応募者との連絡調整、進捗管理などの採用業務にかかる作業の効率化や、採用力強化に向けて自社で蓄積した選考情報を分析するために利用するシステムです。

採用管理システム（ATS）なら求人情報の作成から採用まで、採用活動におけるさまざまな情報を一元管理できるため、採用にかかる時間を短縮できます。

また情報を言語化、数値化することで社内に情報を共有しやすくなり、採用業務の属人化を防ぐメリットも期待できるでしょう。

オンライン面接ツールの導入

オンライン面接ツールとはインターネット回線を使い、離れた場所から面接を行うためのツールで、オンラインで面接する以外にもチャット機能や録画機能など、多様な機能を備えたツールもあります。

自社で面接を実施する場合は求職者の交通費を支給することもありますが、オンライン面接であれば会場費や交通費は一切発生しないため、コストの大幅な削減が可能です。

オンライン面接ツールを活用すれば、地方の求職者にとっても移動にかかる時間や費用を気にしなくて済むため、面接へのハードルが下がります。

採用を効率化する4つの求人方法

採用業務を効率化するには採用業務の見直しや採用ツールの導入以外に、求人方法を変える方法があります。

採用業務を効率化できる求人方法にはどのような方法があるのか、みていきましょう。

SNS広告

FacebookやInstagramといったSNSに求人広告を掲載する方法です。

多くのSNSにはシェア機能が付いており、自社アカウントから求人情報を発信すればSNS利用者によって拡散されるため、採用サイトで募集するよりも幅広い層からの応募が期待できるでしょう。

オウンドメディア・自社採用サイト

自社で発行しているメディア（オウンドメディア）や自社サイト経由で求人する方法です。

オウンドメディアや自主サイト経由で求人を行った場合、求人広告を出さずに人材を獲得できるため、採用にかかる費用を抑えられます。

また、会社の社風や求めている人材に合わせたサイト構成にすることが可能となり、求職者に自社のブランディングにもつながるのです。

自社の採用サイトがあるとどのような人材を求めているのか理解してもらいやすくなるため、応募につながる可能性も上昇するでしょう。

ハローワーク広告

ハローワークとは、国の行政機関である「厚生労働省」が運営する機関で、求職者への求人提供や就職が難しい方をサポートする役割があります。

無料で求人を掲載できることに加えて「応募の際にハローワークから連絡が入る」「就職面接会や会社説明会に参加できる」など、企業側に対してもさまざまなサポートが受けられることがメリットです。

リファラル採用

リファラル採用は、自社社員経由で人材を紹介してもらう採用方法です。

自社の雰囲気や実際に働いた人から見た所感を知った上で応募してもらえるため、ミスマッチを理由に早期退職される可能性が少ないメリットがあります。

採用サイトや人材紹介サービスを利用しないため、採用に関する費用が抑えられる点もメリットです。

まとめ

採用業務の効率化を行う上で重要なのは、現在の採用業務を分析し、どこを効率化したら効果が高いのかを見極めることです。

採用業務の最初から最後までのすべてにツールで自動化したり代行を依頼することも可能ですが、自社の採用業務でどこが効率悪いのかを分析して、ピンポイントで効率化することで、費用を抑えながらすぐに効果が現れる改善ができます。

この記事を参考に、採用業務の効率化を始めてみましょう。

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