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人材採用で申請できる助成金13選と申請方法・条件まとめ

人材を採用するときの採用活動には一定のコストがかかります。

そんな採用に関する費用負担を軽減し、企業や店舗の補助になるもののひとつに助成金があります。

「採用に関する助成金にはどのようなものがあるの?」
「助成金はどうすればもらえるの?」


という疑問を持っている方に向けて、この記事では、採用に関わる助成金を4つの種類別に紹介し、助成金の申請方法や受け取りの条件まで詳しく説明します。

目次[非表示]

  1. 1.賢く活用!人材採用で申請できる助成金の種類
    1. 1.1.助成金の定義
    2. 1.2.採用にまつわる助成金の種類
      1. 1.2.1.若者の採用
      2. 1.2.2.中途採用
      3. 1.2.3.地方企業の採用
      4. 1.2.4.人材育成や就労環境に関わる助成金
  2. 2.《4つの種類別》採用に関わる助成金13選
    1. 2.1.若者の採用
      1. 2.1.1.トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
      2. 2.1.2.特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)
    2. 2.2.中途採用
      1. 2.2.1.生涯現役起業支援助成金
      2. 2.2.2.労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)
      3. 2.2.3.中途採用等支援助成金(UIJターンコース)
      4. 2.2.4.特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)
    3. 2.3.地方企業の採用
      1. 2.3.1.地域雇用開発助成金
    4. 2.4.人材育成や就労環境に関わる助成金
      1. 2.4.1.中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
      2. 2.4.2.人材確保等支援助成金
      3. 2.4.3.両立支援等助成金
      4. 2.4.4.65歳超雇用推進助成金
      5. 2.4.5.キャリアアップ助成金
      6. 2.4.6.人材開発支援助成金
  3. 3.助成金の申請方法と条件
    1. 3.1.助成金の申請方法
    2. 3.2.助成金を受けるための条件
  4. 4.まとめ


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賢く活用!人材採用で申請できる助成金の種類

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まずは人材採用で申請できる助成金の定義や概要、そしてその助成金にはどのような種類があるのかを説明します。

助成金の定義

助成金とは、国や地方公共団体から事業者に対して支給される、原則として返済の必要がない資金のことです。

助成金は誰でも受け取れるわけではなく、一定の条件や申請、審査が必要で、求められる要件を満たせば受給できます。雇用関係の助成金は主にハローワークを通じて申請することがほとんどです。

採用にまつわる助成金の種類

ここからは採用に関係のある助成金を『若者の採用』『中途採用』『地方企業の採用』『人材育成や就労環境に関わる助成金』の4つに分けて説明します。

若者の採用

主に35歳以下の若者の採用に関係のある助成金は複数あり、短期大学や高等専門学校を含んだ大学等の学校、もしくは中学・高校の既卒者や中退者を採用し、一定期間定着させた中小企業が受給できます。

助成金によって細かい受給条件があるため、受給を考えている人は受給条件を詳しく調べておきましょう。

中途採用

中途採用に関係のある助成金は複数あり、中途採用の雇用創出、つまり雇用を生み出したことに対して受給でき、対象の年齢や境遇によって受け取れる助成金は変わります。

中途採用の拡大を行ったときに受給できるだけでなく、採用後に企業の生産性が向上した場合は、追加で助成金を受けることも可能です。

助成金の給付額は採用の実施区分によって変わり、受給のための要件も細かく定められているため、受給を検討している場合は事前に確認しましょう。

地方企業の採用

地方企業は首都圏に比べると雇用機会が少ない傾向が見られ、首都圏や都市部に仕事を求めて人が流れている状況です。

雇用機会が少ない状況で地方事業所や企業の採用活動の費用負担を軽減し、雇用機会を増やす目的で、地方企業向けにさまざまな助成金が支給されています。

地方に拠点を置く企業で助成金の受け取りを考えている場合は、受給条件や金額について事前に調べておくことが大切です。

人材育成や就労環境に関わる助成金

採用時に出る助成金ではありませんが、職場環境の整備や非正規雇用社員を正社員にしたときに申請できるもの、職場での女性活躍の補助になるものなど、人材育成や就労環境に関わるさまざまな助成金があります。

また、定年年齢の引き上げや雇用継続制度の導入など、高齢者の雇用促進を図るための措置を対象とした助成金もあり、これらの補助金を利用することで、幅広い人材が働きやすい環境づくりをしやすくなるでしょう。

人材育成や就労環境に関わる助成金は通常の助成金とは異なり、申請時に改善計画と提出する必要がある場合があるため、細かな受給要件や申請方法はハローワークで確認してください。

《4つの種類別》採用に関わる助成金13選

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ここからは、採用に関わる助成金を『若者の採用』『中途採用』『地方企業の採用』『人材育成や就労環境に関わる助成金』の4つの種類別に解説します。

各々の助成金の概要と申請の条件について紹介するため、受給を検討される際の参考にしてください。

若者の採用

ここでは主に35歳以下の雇用を対象とした若者の採用を補助する助成金である、『トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)』と『特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)』を紹介します。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、既卒者や就労経験のないの若者を一定期間試行雇用したときに申請できる助成金です。

トライアル雇用とは、求職者を正規雇用として雇うことを前提とし、求職者の適正を判断することを目的として、一定期間(原則3か月)の試用期間を設けた上で採用することを意味します。

この助成金の支給対象者1人あたりの金額は上限4万円で、対象者を雇用した日から原則最長3か月間受給が可能です。

ハローワークや職業紹介事業者の紹介で求職者を採用する形になりますが、紹介日時点で求職者が学校卒業後3年以内であること、安定した職業に就いていないことなどが受給の条件の一部になっています。

その他の細かな要件については、ハローワークの窓口や厚生労働省のホームページで確認・問い合わせましょう。

特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)

特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)は、学校等の既卒者や中退者の応募機会の拡大や、採用・定着を図ることを目的とした助成金です。

既卒者は卒業から3年以内のいわゆる第二新卒が対象で、これまで通常の労働者として同一事業主に引き続き12カ月以上雇用されたことがないことが条件の1つになります。

助成金は、雇用した対象者が職に定着してから最長3年間受け取ることが可能です。

詳しい要件や支給額についてはハローワークの窓口や厚生労働省のホームページで確認してください。

中途採用

中途採用に関係する助成金として、『生涯現役起業支援助成金』『労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)』『中途採用等支援助成金(UIJターンコース)』『特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)』の4つを紹介します。

生涯現役起業支援助成金

生涯現役起業支援助成金は40歳以上の起業家を対象とした助成金制度で、従業員の雇用や教育などに要する費用の一部を補助してくれます。

会社を起業した日の年齢が40歳以上の人が計画書を提出し、計画期間内(12か月以内)に60歳以上の人を1名以上、40歳以上60歳未満の人を2名以上または40歳未満の者を3名以上新たに雇用した場合に、人材の募集・採用に関する費用を助成してくれる内容になっており、支給後に生産性の向上が確認された場合は別途で生産性向上助成金を受け取ることも可能です。

要件の確認や支給額の詳細に関してはハローワークの窓口や厚生労働省のホームページで確認しましょう。

労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)

労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)は、自社に新入社員を受け入れた際に、新入社員が条件を満たしていれば雇い入れた企業に支給される助成金です。

雇い入れる新入社員は、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

・離職から3か月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れられること
・かつて雇用されていた事業主の事業所への復帰の見込みがないこと
・離職の際に「再就職援助計画」または「求職活動支援書」の対象者となっていること

「早期雇入れ支援」と「人材育成支援」の2種類の助成金が受け取りができ、「早期雇入れ支援」では雇い入れた対象者1人につき30万円が支給され、対象者に対して職業訓練をした場合は「人材育成支援」が別途支給できます。

離職から3か月以内の人が対象者になるため、採用選考はスピードが求められるでしょう。助成金の詳しい申し込み要件については事前に調べておくことが重要です。

申請はハローワークを通して行うため、受給の詳細はハローワークで問い合わせたり、厚生労働省のホームページで確認したりしましょう。

中途採用等支援助成金(UIJターンコース)

中途採用等支援助成金(UIJターンコース)は、東京都内からの移住者を雇い入れた事業主に対し、その採用活動に要した経費の一部が支給される助成金です。

この助成金の対象になる求職者は、以下の条件を満たす必要があります。

・東京都内からの移住者であること
・地方公共団体が開設・運営しているマッチングサイトに掲載された当該事業主の求人から応募していること
・雇用保険の一般被保険者もしくは高年齢被保険者として雇い入れられること
・継続して雇用する労働者として雇い入れられること

助成の対象となる経費は、採用募集パンフレットの作成費用や自社ホームページの作成・運用費用、企業説明会・面接会などの実施に関わる費用で、求人情報誌や求人サイトへの掲載費は対象にならないため、注意が必要です。

助成金の受給を希望する場合は、ハローワークの窓口や厚生労働省のホームページで詳しい内容を確認しましょう。

特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)

特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)は、正規雇用の機会を逃したことにより、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な状態だった人(いわゆる就職氷河期世代)を雇い入れたときに支給される助成金です。

就職氷河期とは、バブル崩壊後の1993年~2005年の就職が困難であった期間を指し、対象となる労働者は以下の要件を満たしている必要があります。

・雇入れ日時点の満年齢が35歳以上60歳未満であること
・正規雇用労働者として雇用された期間を通算した期間が1年以下であり、雇入れ日の前日から起算して過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことがないこと
・ハローワークまたは民間の職業紹介事業者などの紹介の時点で失業状態にあること
(雇用保険の一般被保険者として就労している場合は、失業の状態とは認められない)
・本人が正規雇用労働者として雇用されることを希望していること

助成金の額は、対象者1人に対して6カ月ごとに最高2回の受給ができ、中小企業であれば総額50万円、大企業であれば総額60万円の受け取りがそれぞれ可能です。

受給の詳細についてはハローワークに問い合わせたり、厚生労働省のホームページで確認しましょう。

地方企業の採用

ここからは地方企業の採用に関係する助成金として、『地域雇用開発助成金』を紹介します。

地域雇用開発助成金

求人の少ない地域での雇用や創業事業所の整備を行うと受給できる助成金に、地域雇用開発助成金があります。

所轄の労働局長に「計画書」を提出する必要があり、計画期間内に事業所や設備の設置・整備を行い、あわせて求職者の雇い入れを行うことが条件の一部です。

この助成金は雇用した対象者の数に応じて1年ごとに支給され、最大3回まで受給できます。

雇用機会の少ない地域で採用活動をする場合は、この助成金を活用するために必ずハローワークに問い合わせたり、厚生労働省のホームページで詳細を確認しましょう。

人材育成や就労環境に関わる助成金

ここからは、人材育成や就労環境に関わる助成金に関係する助成金として、『中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)』『人材確保等支援助成金』『両立支援等助成金』『キャリアアップ助成金』『人材開発支援助成金』の5つを説明します。

中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)

中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)とは、中途採用者の雇用管理制度を整備し、中途採用の拡大を図った場合に受給できる助成金です。

中途採用を開始した日から3年が経った後に企業の生産性の向上が見られれば、生産性向上助成として追加の助成金を受け取ることもできます。

雇用する対象者は以下の条件をすべて満たしている必要があります。

・申請事業主に中途採用で雇い入れられていること
・雇用保険の一般被保険者もしくは高年齢被保険者として雇い入れられていること
・期間の定めのない労働者(パートタイム労働者は除く)として雇い入れられていること
・雇い入れ日の前日から起算して過去1年間に、申請事業主の企業・事業所に就労したことがないこと
・雇入れ日の前日から起算して過去1年間に、資本的・経済的・組織的に申請事業主との関係を持っていた他の事業主に雇用されていないこと

中途採用等支援助成金を受給するには、雇用管理制度(雇用契約期間や労働時間、福利厚生など)や中途採用に取り組む期間を記載した中途採用計画を労働局に提出する必要があるため、詳しい必要事項や申請方法はハローワークへ問い合わせたり、厚生労働省のホームページを見て確認しましょう。

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は、労働環境の改善などに取り組む事業主を助成する制度です。

この助成金の対象は人材確保の促進や研修制度の整備、テレワークの導入促進など多岐にわたり、2021年8月現在では9つのコースが用意されています。

支給額や条件はそれぞれ異なるため、申請前に必ずハローワークへ問い合わせたり、厚生労働省のホームページを見て詳細を確認してください。

両立支援等助成金

従業員が働きながら育児や介護との両立を行える制度を導入したり、女性の活躍推進のための取り組みを行ったりした事業主の支援を目的とした助成金に、両立支援等助成金があります。

両立支援助成金には「出生時両立支援コース」「介護離職防止支援コース」「育児休業等支援コース」「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援コース」などを含む6つのコースがあるのが特徴です。

受給条件はそれぞれ異なるため、詳細についてはハローワークの窓口や厚生労働省によりインターネット上で公開されているパンフレットで確認しましょう。

65歳超雇用推進助成金

65歳超雇用推進助成金とは65歳以上への定年引き上げや、高年齢者の雇用環境の整備などを行うことで受け取れる助成金です。

意欲と能力のある高齢者が年齢に関係なく働くことのできる環境づくりを目的にしています。

「65歳超継続雇用促進コース」「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」「高年齢者無期雇用転換コース」の3種類のコースがあるため、それぞれの受給要件や金額の詳細は、厚生労働省のホームページで公開されているパンフレットを確認するか、高齢・障害・求職者支援機構のホームページや窓口に問い合わせて確認してください。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は非正規雇用労働者(有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者など)の企業内でのキャリアアップを促進するための制度です。

非正規雇用労働者の正社員化や待遇改善の取り組みを実施した事業主に対して、国から助成金が支給されます。

「正社員コース」「賃金規定等改定コース」「諸手当制度等共通化コース」などの7つのコースがあり、支給額や条件はそれぞれ異なるため、キャリアアップ助成金の受給を検討している場合は詳細をハローワークへ問い合わせたり、厚生労働省のホームページで確認しましょう。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、正規雇用の従業員に対して、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための訓練等を受講する事業主を支援するための助成制度です。

「特定訓練コース」「教育訓練休暇付与コース」「建設労働者認定訓練コース」などを含む7つのコースに分かれています。

条件や受給金額はそれぞれのコースで異なるため、厚生労働省がWebで公開しているパンフレットを見たり、ハローワークに問い合わせて確認しましょう。

詳しくは【中途採用の費用とは?予算の組み方からコストを抑える5つのポイント】


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助成金の申請方法と条件

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ここからは助成金の申請方法と条件について解説します。

助成金の申請方法

助成金は、ハローワークに必要な書類を提出する方法で申請します。

助成金受け取りから支給までの流れは以下の通りです。

[1]計画書や必要な書類の作成
[2]計画の実行
[3]支給申請
[4]審査
[5]支給

助成金によって用意する書類の種類は異なるため、厚生労働省ホームページやハローワークの窓口に問い合わせて確認しましょう。

助成金によっては説明会を開催しているものもあるため、参加して詳細を聞くことも可能です。

助成金の中には採用に関する計画書を提出しなければならないものもあり、計画書通りに採用活動や人材育成などが行えているのかを審査されます。

厚生労働省のホームページ上で申請に必要な書類のデータダウンロードも可能なため、前もって揃えられるように準備し、間違いのない書類をハローワークに提出しましょう。

助成金を受けるための条件

助成金を受けるときは、各助成金の受給要件のほかに、以下の共通要件を満たして申請を行わなければなりません。

・雇用保険適用事業所の事業主であること
・支給のための審査に協力すること
・申請期間中に申請を行うこと

そのほかの条件は助成金によって異なるため、ハローワークや労働局の窓口で確認、あるいは厚生労働省のホームページで公開されているパンフレットを見ましょう。

また、過去に不正に助成金を受給したことや、労働保険料を納めていないことがある事業主は、助成金の受給条件を満たしていても受け取りができないことがあるため、注意が必要です。

まとめ

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人材採用に関する助成金は、雇用機会の増加を目的にしたものや、就労環境の改善や人材教育にかかる費用を補助してくれるものなど多くの種類があります。

申請方法や受給条件は助成金によって異なりますが、申請書類の準備は共通して必要です。

また、申請期間を過ぎてしまっては助成金を受け取ることができないため、事前にハローワークや労働局で申請方法や受給要件の詳細を確認しておく必要があります。

助成金を活用して、採用活動に役立てましょう。

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