【採用サイト】差別化できる4つのコンテンツと魅力的なサイト5選
優秀な人材の採用は、会社の成長にとって必要不可欠です。
多くの企業が自社の採用に力を入れており、企業が能動的に採用活動を行わなければ優秀な人材を採用できなくなりました。
このような状況の中、採用担当者の間で注目されているのが「採用サイト」を使った自社採用です。
企業サイトとは別に採用サイトをつくり求職者の目を引くコンテンツを充実させることが、求職者が会社への関心を高めることにつながるのです。
多くの採用サイトを活用した自社採用に携わってきた私たちが、採用サイトと企業サイトの違いから、他社と差別化できるコンテンツ、さらに魅力的なコンテンツを掲載している採用サイトまで詳しくお話します。
この記事をよく読んで、自社の採用成功に活かしてくださいね。
このコラムの目次
採用サイトと企業サイトの違いと導入企業増加の理由
まずは、採用サイトと企業サイトとの違いやなぜ採用サイトを導入している企業が多いのかといった疑問にお答えします。
採用サイトと企業サイトの違い
採用サイト(リクルートサイト)と企業サイト(コーポレートサイト)では、掲載する目的と対象が大きく違います。
それぞれどのように違うのか、下記にまとめていますのでご確認ください。
目的:就職活動中の人に関心を持ってもらい、応募してもらう
対象:求職者
内容:仕事の内容、職員の声、募集要項 など
目的:消費者や取引先などの人に企業について知ってもらう
対象:取引先や消費者などさまざまな方面で企業に関心を持つ人
内容:会社概要や沿革、拠点、株主・投資家向け情報 など
このように、「なぜそのサイトを作成するのか」「誰に見てもらうのか」が異なるため、掲載する内容が違うのです。
以前は企業サイトの中に採用情報を掲載することが一般的でしたが、最近では採用の手段として採用サイトを導入する企業が増えています。
採用サイトを導入する企業が増えている理由
採用サイトを導入する企業が増えている理由を2つあげていますので、さっそく見ていきましょう。
1)自社の魅力をあますことなく伝えられるから
採用が伸び悩む理由のひとつに「企業サイトに採用情報の載せている企業の多くは、求職者目線の情報を魅力的に伝え切れていない」があります。
企業サイトの採用情報欄は画像の掲載数や文字数に制限があり、募集要項や簡単な仕事内容しか掲載できません。
このような情報を掲載するだけでは、「どのような会社なのか」「自分の求める仕事ができるのか」といった求職者が知りたい情報が記載できず、他社とどう違うのかがわからないため『この会社で働きたい!』とは思ってもらえない可能性が高いです。
採用サイトであれば、自社の魅力を写真や動画など視覚的にアピールでき、さらに先輩社員のインタビューや実際の仕事の様子など掲載したい情報を好きなように掲載することができます。
自社の魅力を伝えられるだけでなく他社との差別化ができる採用サイトは、求職者が会社選びをする際の重要なアピールツールとなるのです。
2)求職者が会社選びで重視する点を掲載できるから
インターネット環境の変化も採用に大きく影響しています。
パソコンやスマートフォンの普及により、現在では求職者がインターネットを使って仕事探しをすることが当たり前となりました。
誰でもホームページやブログなどの情報発信が可能となり、自分で調べさえすれば、デザイン性が高く豊富なコンテンツが掲載されているようなプロ顔負けのウェブサイトの作成も可能です。
そのため、求職者も採用サイトの「見やすさ」「デザイン性の高さ」「コンテンツの豊富さ」を重視しています。
同じような採用情報を掲載していても、デザイン性が高くコンテンツが充実している採用サイトは、求職者にとって魅力的な企業と感じます。
このように、採用情報を企業サイトのコンテンツのひとつではなく採用サイトというひとつのサイトとして作成することは、求職者目線の情報を魅力的に伝えることにつながるのです。
※詳しくはこちら
【ダイレクトリクルーティングの成功に必要不可欠!カギは「採用サイト」にあり!】
【採用サイト】基本のコンテンツと他社と差別化できるコンテンツ
ここでは、採用サイトを作成する上で必要不可欠なコンテンツと他社と差別化できるコンテンツをお伝えします。
《必要不可欠!》6つの基本コンテンツ
まずは、 採用サイトに必ず掲載すべきコンテンツを6つ紹介します。
◆トップページ
トップページは求職者が一番はじめに見るページですので、掲載する画像は求職者の興味をそそるようなデザインにしましょう。
例えば会社のオフィスデザインに自信がある場合、オフィスデザインと仕事の様子を魅力的に撮った写真をトップに掲載することで視覚的に自社の魅力をアピールできます。
さらに、その写真を数秒ごとに写真を変化させ複数の写真を掲載すれば「こんな会社で働いてみたい」と感じてもらえるでしょう。
このように、トップページでは会社の一番の強みを視覚的に伝える事が重要です。
また、どのようなコンテンツが採用サイトには掲載されているのかを伝えるページでもあります。
各コンテンツページに移動するためのメニューは、文字だけでなくアイキャッチ画像(※)を使うことで、求職者が楽しみながら会社を知ることができます。
アイキャッチ画像の使用などの工夫は、求職者を「この会社面白そう」「会社についてもっと知りたい」といった企業の印象アップに繋がるため、ぜひ取り入れましょう。
※アイキャッチ画像...サイト閲覧者の目を惹くための画像のこと。一般的にリンク先のページの内容を説明する画像に使用する。
◆会社紹介
会社紹介は、会社が何を目指しどのような事業を行っているのかを伝えるコンテンツです。
掲載する内容は、ミッションやビジョン、行動指針、沿革、事業内容などです。
基本的に会社紹介は形式的なコンテンツになってしまいがちですが、ミッションやビジョンは会社の軸であり、求職者はその軸に共感できるかを重視し閲覧します。
ミッションやビジョンというのは抽象的なため、単にミッションやビジョンを掲載するだけでは求職者に伝わりません。
理想的な状態を写真やイラスト、グラフなどを使って説明するなど、求職者にわかりやすく伝える工夫が必要です。
また、ミッションとビジョンを達成するための事業内容を詳細に説明することで、求職者がより就職後どのような仕事をするかといったイメージがしやすくなるでしょう。
◆働く環境
働く環境は、実際に仕事をしたときにいかに働きやすいかを考えるひとつの指標です。
会社は就職後毎日通う場所であるため、「ここなら毎日通ってもやる気が出そうだ」と思えるような情報があると、応募への気力が高まります。
ここではラウンジやオフィス、食堂などをエリアごとに紹介をするのがおすすめです。
写真の使用はもちろんのこと、普段どのように使用されているのかを説明すれば、実際にその会社で働くイメージが湧くでしょう。
◆福利厚生・制度
福利厚生もまた、働きやすさの指標のひとつです。
仕事に生きる人もいれば、家庭や趣味などのプライベートを大切にする人もいます。
福利厚生などの制度が、仕事やプライべートにプラスになっていることが伝わるように工夫するとよいでしょう。
特別休暇、研修制度など企業によってさまざまな福利厚生を設けていると思います。
他社と差別化するためにも、福利厚生を実際に社員が使用している様子や社員のコメントを掲載しましょう。
◆募集要項
募集要項は採用サイトの中でも求職者が必ず読むコンテンツで、採用予定の職種や応募条件などを記載する項目です。
実際の仕事をイメージできるよう、「職種」は職種名だけでなく具体的な仕事内容を記載しましょう。
また、応募条件だけでなく求める人物像や評価するスキルや経験を記載しておくと、求職者自身が会社の求める人物像を理解した上で応募するようになります。
そのため、求職者と会社側の双方のミスマッチを防ぐことにつながるのです。
◆選考フロー
選考フローは、エントリーから内定までの採用期間や採用ステップを説明します。
求職者は複数会社を受けることが一般的です。
他の企業とのスケジュールの調整や確認のためにも、採用にかかる期間の目安や採用ステップを記載しておきましょう。
《ここで差をつける!》他社と差別化できる4つのコンテンツ
基本となるコンテンツを押さえた上で、他社と差別化するために参考にしたいコンテンツを4つ紹介します。
◆写真や動画など「会社のリアル」が伝わるもの
前の項目で何度か写真や動画の使用をおすすめしました。
写真や動画は、仕事をしている様子や社員、オフィス環境などが写真で掲載されていると見やすさやデザイン性だけでなく、会社の様子を具体的にイメージするのに役立ちます。
動画であれば、BGMや何気ない会話などさまざまな情報を伝えることも可能です。
写真を動画を積極的に使用すれば、文章や写真では伝わらない会社の雰囲気を伝えることができるでしょう。
◆社員紹介など「生の声」が伝えられるもの
求職者が入手困難な情報のひとつとして、社員の「生の声」が挙げられます。
求職者がそれまで縁の無かった業界を目指している場合、志望する会社に知り合いがいることはほとんどありません。
社員ひとりひとりの仕事への熱意や実際に働いてみての感想、やりがいといった「生の声」は、求職者にとってリアルな職場像を知るためには貴重なコンテンツなのです。
職種ごとや役職ごとに仕事内容ややりがいは何か、なぜその会社を選んだのかなどを取材し、仕事中の社員の様子や取材中の社員の写真とともに掲載しましょう。
◆1日の仕事スケジュールなど「働くイメージが湧く」もの
1日の仕事スケジュールも、求職者はなかなか知る機会がありません。
出勤後・午前・お昼・午後それぞれどのような仕事をしているのか、各仕事の様子をイメージした写真とともに記すとよいでしょう。
また、仕事だけでなくプライベートのスケジュールまで記載されていると、ワークライフバランスのイメージも掴みやすくなります。
育児をする社員や趣味を楽しんでいる社員、仕事一筋の社員など、さまざまな社員が働いていることをアピールできるよう複数人の社員の1日の過ごし方を掲載しましょう。
◆SNSなど「会社を身近」に感じられるもの
学生や若者向けの採用の場合、SNSの活用を検討しましょう。
SNSは、短めの文章と写真だけで多くの人に自社の情報を伝えることが可能です。
仕事の様子や会社のイベント、エントリーの締め切りなどをこまめに更新することで、インターネットを積極的に使用している求職者の目に留まりやすくなります。
特に社会に出たことのない学生は会社を身近に感じておらず、知っている会社の数が少ないため、少しでも気になる企業があればエントリーする可能性が高いです。
会社を知る機会をSNSで増やすことで若者に身近に感じてもらい、採用へとつなげましょう。
魅力的なコンテンツを掲載している採用サイト5社
求職者に会社のことを分かりやすく伝えるには、採用サイトにどのようなコンテンツを掲載すればいいのでしょうか。
ここからは魅力的なコンテンツを掲載している5社の採用サイトを紹介します。
(1)株式会社マネーフォワード
株式会社マネーフォワードでは「Let’s make it !」を掲げ、自社とマッチする人材を募集しています。
採用サイトのなかでも、 特にキャッチコピーを反映しているのが福利厚生のページです。
株式会社マネーフォワードの福利厚生は社員の声から生まれています。
多様な生き方・働き方に対応した制度が充実しており、「ヘルス」「ファミリー」「コミュニケーション」「ワーク」「エンジニア」「キャリア」と大きく6つのサポートがあります。
下記のように、自社の魅力やアピールポイントである福利厚生を採用サイトでわかりやすく掲載しています。
・「ファミリー」
家事代行・獣医師・ベビーシッター・介護アシストなど、さまざまな家族の在り方を理解したサポート内容がある
フレックスタイムやリモートワークなどの多様な勤務形態から用途別のオフィススペースの充実まで、社員にとって魅力的なサポートがある
(2)ヤマハ株式会社
ヤマハ株式会社の採用サイトは、 仕事に情熱を注ぐ社員の映像がメインコンテンツです。
実際の打ち合わせ風景や仕事の様子などが中心の動画となっているため、自分が実際に仕事をする姿をイメージしやすいのが特徴です。
職種に注目しているだけでなく、社員一人ひとりに焦点をあてて作成することで、社員をしっかり見ているという会社の姿勢を伝えています。
(3)合同会社DMM.com
会社説明や代表メッセージ、各部署の仕事内容など全てのコンテンツに動画を使用しているのが、合同会社DMM.comの採用サイトの特徴です。
採用サイトに掲載されている動画のコンテンツは、他社では説明会などに行かないと得られない情報が掲載されています。
特に、社員による職種ごとの具体的な仕事の説明があり「言葉は知っているけど、どのような仕事かわからない」といった疑問も採用サイトを見れば解消できます。
(4)Peach Aviation 株式会社
Peach Aviation株式会社の「1分でわかるPeachガイド」では、最近流行りのインフォグラフィック(※)を取り入れています。
インフォグラフィック(※)を使ったスタッフの年齢構成や女性管理職の比率など会社に関わるさまざまな数字から会社を知ることが可能です。
ただ数字を掲載するのではなく一目みるだけでわかるデザインを用いているため、会社について知ることができるとともに興味をそそる内容となっています。
例えば2013年から2016年の財務状況の伸びを、グラフの棒一つひとつ一つに動きをつけることで、効果的に表現し、求職者にわかりやすい 工夫をしています。
※インフォグラフィック...情報やデータなどを視覚的に表現したもの
(5)株式会社ケイテック
社員インタビューは実際に働く社員の言葉で会社のことを伝えられるため、働く環境など入社後をイメージするための手段として効果的です。
株式会社ケイテックの「若手社員からの声」は座談会形式で、社員一人ひとりに対してインタビュー形式で社員の声を掲載しています。
社員インタビューの内容は、仕事のやりがいや一日のスケジュール、入社して成長したと感じる点など多岐に渡ります。
採用担当者の悩みを解決!コンテンツを作成する3つのポイント
最後に、採用担当者の悩みを解決でき、自社にとって効果的なコンテンツを作成するためのポイントを3つ紹介します。
【ポイント1】「誰に」届けたいかを明確にする
採用サイトを作成するときはまず、誰に読んで欲しいのか、誰に興味を持って欲しいのかという「ターゲット」を明確にすることが重要です。
明確にした自社の求める人物像を採用サイトに記載しておけば、求職者は会社が求める人物像とマッチするかどうか判断した上で応募するでしょう。
また、採用したい人物像(ターゲット)がはっきりしているとターゲットの求める情報が推測しやすくなり、求める情報に合わせたコンテンツ作成が可能です。
このようにターゲットを明確にすることで、自社の求める人物像からの応募を増やせるだけでなく、求める求職者にむけたコンテンツ作成ができ、自社とのミスマッチを防ぐことにつながるのです。
【ポイント2】「求職者が知りたい情報」を掲載する
株式会社リクルートキャリア 就職みらい研究所が発表した「就職白書2020」によると、求職者は具体的な仕事内容や社風・企業文化、事業戦略といった情報を知りたいと感じています。
これらの項目は、求職者自身の理想とするキャリアと、それが叶えられる会社なのかを判断するために必要な情報です。
採用サイトに仕事内容や社風が書かれていることで、「この会社は自分に合っているか」「この会社で働きたいか」を判断しやすくなります。
【ポイント3】「採用サイトの役割」を決める
採用サイトの役割、つまり採用サイトの方向性を決めることは採用サイトを作成する上で重要です。
株式会社マネーフォワードの採用サイトを思い出してください。
トップページで書かれていた「Let's make it !」は、福利厚生やエンジニアブログなどさまざまなコンテンツに反映されていました。
そうすることで、採用サイト全体から「共創を重視している会社」だと伝えることができるのです。
このように、採用サイトの方向性が決まっていると、そのメッセージをトップページだけでなく他のコンテンツページにも反映でき、一貫性のある採用サイトとなります。
そうすれば、求職者に自社の魅力が伝わる採用サイトとなり、自社に興味を持つ求職者を増やすことができるでしょう。
まとめ
ここまで、採用サイトのコンテンツについてお話してきました。
採用サイトのコンテンツをうまく活用すれば、求職者が自社を知るきっかけとなるだけでなく、自社の魅力を最大限に伝えることができます。
この記事を参考に、求職者目線のコンテンツを増やした採用サイトを作成し効果的な採用をしていきましょう。
「求人応募を増やしたい」「なかなか応募が増えなくて困っている」という方は、採用サイトの作成を検討してみてはいかがでしょうか。