派遣社員の採用コストの平均相場と削減する7つの方法
人手不足を解消するために人材の採用を行うにあたっては、正社員よりも派遣社員を受け入れた方が、保険関連の手続きや給与計算といった面から正社員を雇うよりも雇い入れ前後の業務コストを安く済ませることができます。
しかしいざ派遣社員を受け入れるとなった場合、人件費や派遣会社へ支払う手数料などの費用感がいまいちわからない、具体的な契約内容やどのような業務が依頼可能なのか不明という方もいるでしょう。
この記事では、人材派遣を使用する際にかかる費用を踏まえながら派遣社員を受け入れる際にかかる採用コストを紹介します。
人材派遣をする際にかかる5つの初期費用
派遣社員を受け入れるとき、どのような費用が発生するのでしょうか。
まずはじめに、人材派遣を利用する際にかかる初期費用をみていきましょう。
派遣社員賃金
派遣社員賃金とは、文字通り、働いてもらっている派遣社員へ支払う賃金です。
派遣社員の賃金の相場は「どういった条件で相場を考えるか」が重要といえます。
なぜなら派遣社員が働く業界や職種は多岐に渡り、職種間には大きな収入格差があるからです。
派遣でも賃金が高いのが、システムエンジニアやプログラマといったIT系の専門職ですが、IT系専門職の派遣社員は特定企業の派遣であるケースがほとんどで、一般派遣よりも給料の設定が高く、平均でも年収400万円弱という給料の水準です。
歯科業界全体で歯科衛生士が不足している背景や、今よりも好条件の診療所へ転職される可能性を踏まえると、他の診療所よりも好条件を提示しなければならない事態が今後起こる可能性があり、さらに採用単価を押し上げるかもしれません。
対して最も賃金が低いのは建築物清掃の派遣社員で、この業種の派遣社員は派遣会社の正社員として常用雇用契約を結んだ特定派遣という働き方でも、年収の相場が200万円程度となっており、一般派遣だと年収200万円を切ります。
歯科業界全体で歯科衛生士が不足している背景や、今よりも好条件の診療所へ転職される可能性を踏まえると、他の診療所よりも好条件を提示しなければならない事態が今後起こる可能性があり、さらに採用単価を押し上げるかもしれません。
派遣社員全体で見れば派遣社員の賃金相場は約300万円ほどですが、実際の賃金には職種ごとに大きな差があるのです。
社会保険料
派遣費用の中には社会保険料が含まれており、広義の社会保険料は次の4つです。
・厚生年金保険料
・労災保険料
・雇用保険料
派遣社員を雇用したときにかかる社会保険料は、狭義の「健康保険料」と「厚生年金保険料」のことで、労災保険料と雇用保険料を含む労働保険料についても、社会保険料の一部であるため、基本給(=時給)に含まれています。
社会保険料に関する手続きはすべて派遣会社が行うため、自社への負担はほとんどありません。
社会保険料
派遣社員にも有給休暇があり「派遣先企業に6ヶ月以上勤務」、「半年間の間に8割以上出勤」という2つの条件を満たすことで取得できます。
派遣社員の有給休暇は「労働基準法」で2019年4月に「年5日の年休を労働者に取得させることが義務」となり、直接雇用の社員でも派遣スタッフでも雇用形態や派遣会社に関わらず条件は同じです。
有給休暇を取得した日の給与は「時給✕決められた契約時間」で計算されます。
決められた契約時間とは、派遣スタッフとして働く前に雇用契約を結んだときに規定されている1日の労働時間のことです。
仮に1日7時間となっていれば、時給✕7時間の給与が加算されますし、3時間なら3時間分の給与が加算されます。
派遣会社諸経費
人材会社が派遣社員に対して行うさまざまなサービスへの費用で「派遣社員の教育研修費用」、「企業やスタッフのフォローのための人件費」、「派遣スタッフの相談窓口の運営」などが挙げられます。
人材派遣会社が企業へ社員を派遣する際には、受け入れ前に導入教育を行ったり、派遣社員の住居の確保やで引っ越しの補助を行ったりする企業もあります。
派遣会社を運営する上で必要なサービスに対する費用であるため、サービス料として考えることもできるでしょう。
営業利益
派遣会社が得る純利益を指します。
派遣会社や職種によって多少の違いはありますが、一般社団法人 日本人材派遣協会が発表したデータによると、派遣料金の内訳の大半を占めるのは派遣社員の賃金で、全体の約70%ほどとなっています。
その金額に派遣会社が派遣社員の雇用主として負担する各種の社会保険料が10.9%、派遣社員に対する有給休暇のための費用が4.2%加わるため、合計すると派遣社員に関連する費用は85.1%ほどになるのです。
そのほか「派遣社員の教育研修費用、派遣社員の教育研修費用」「企業やスタッフのフォローのための人件費」「派遣スタッフの相談窓口の運営」などの派遣会社で発生する諸経費が13.7%となっています。
さまざまな費用を差し引いた残り1.2%程度が、派遣会社の営業利益です。
派遣社員の採用コストの平均相場とは
次に、派遣社員を採用する際にかかる採用コストの平均相場を紹介します。
派遣社員の採用コストがどれくらいかかるのかを見ながら、派遣費用が受け入れる企業にとってどのような扱いなのかを併せてみていきましょう。
職種別の派遣費用の平均
派遣社員1人当たりにかかるコストについて紹介します。
派遣料金は派遣元が派遣先からもらう料金で、派遣賃金は派遣社員が受け取る賃金のことです。
派遣社員の受け入れ企業は派遣料金を支払い、派遣元企業は懸賞金の中から派遣賃金を支払う仕組みになっています。
接客、給仕職業従事者 |
派遣料金:13,305円 派遣賃金:9,323円 |
介護サービス職業従事者 |
派遣料金:14,153円 派遣賃金:9,592円 |
商品販売従事者 |
派遣料金:14,176円 派遣賃金:9,923円 |
一般事務従事者 |
派遣料金:15,234円 派遣賃金:10,177円 |
保健医療従事者 |
派遣料金:15,428円 派遣賃金:10,627円 |
生産関連事務従事者 |
派遣料金:15,861円 派遣賃金:10,851円 |
営業、販売事務従事者 |
派遣料金:16,474円 派遣賃金:11,286円 |
会計事務従事者 |
派遣料金:16,534円 派遣賃金:11,355円 |
外務事務従事者 |
派遣料金:16,534円 派遣賃金:11,355円 |
法人、団体役員 |
派遣料金:18,909円 派遣賃金:12,541円 |
助産師、看護師 |
派遣料金:21,008円 派遣賃金:14,397円 |
助産師、看護師 |
派遣料金:21,008円 派遣賃金:14,397円 |
営業職業従事者 |
派遣料金:21,083円 派遣賃金:14,296円 |
製造技術者 |
派遣料金:24,150円 派遣賃金:15,464円 |
管理的職業従事者 |
派遣料金:25,744円 派遣賃金:17,277円 |
法人、団体管理職員 |
派遣料金:26,149円 派遣賃金:18,977円 |
その他技術者 |
派遣料金:27,446円 派遣賃金:17,367円 |
その他技術者 |
派遣料金:27,446円 派遣賃金:17,367円 |
建築、土木、測量技術者 |
派遣料金:28,647円 派遣賃金:18,492円 |
医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 |
派遣料金:36,193円 派遣賃金:23,919円 |
派遣費用には社員の給与や採用にかかるコスト、研修・教育費、派遣会社へのマージンなどが含まれています。
派遣料金は職種によって金額が異なり、例えば「接客、給仕職業従事者」の場合は、単純計算で派遣料金13,305円/日8時間×22日(勤務日数)×12ヶ月=3,512,520円となるのです。
残業の場合は正社員と同じく1.25倍の残業手当を支払う必要がありますが、派遣社員にはボーナスを払う必要はありません。
また各種保険料や交通費などの支払い、シフトや有給などの管理も派遣会社が行うため、トータルコストが安くなるだけでなく、人員の管理業務が減ることも企業にとっては大きなメリットとなります。
派遣費用は人件費ではない
遣社員を雇う費用は、人件費ではなく外注費として計上できます。
正社員を雇う場合は直接雇用となるため人件費扱いとなりますが、派遣社員の場合は派遣会社との取引になるため間接雇用となり、経費を外注費として計上できるのです。
外注費は人件費よりも税金面で優遇されることがあるため、派遣社員を雇うことは企業として大きなメリットといえます。
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派遣社員を雇用する際の3つの注意点
いざ派遣社員を受け入れる際、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
ここからは法律や労働面に関するポイントを押さえながら、どのような点に注意すればいいか紹介します。
労働基準法・労働派遣法を守る
労働基準法は労働者が人に値する生活をするための働く条件について定めた法律である一方で労働派遣法は、派遣社員の労働者の保護を目的とした法律です。
派遣社員は「労働基準法」と「労働派遣法」の2つの法律に守られているため、企業側は生活及び労働の観点から派遣社員を保護しなければいけません。
安全衛生教育や危険防止処置など、危険や健康障害に関する防止処置を確実に行いましょう。
契約にない業務をさせない
派遣社員を利用する際は、事前に派遣先と派遣元で契約が結ばれるため、契約に記載されていない業務は原則させることはできません。
勤務時間の変更や残業時間なども同様に、契約に記載されていない時間に働かせることは不可です。
しかし細かい作業まで契約に記載することはできないため、契約内容と実作業とのギャップで派遣社員とトラブルになることがあります。
派遣社員とのトラブルを防ぐために、業務の選定はなるべく事前に細かく決めておきましょう。
3年ルールを理解する
派遣元は同一の派遣労働者を同じ派遣先へ3年を超えて派遣を続けてはいけません。
違反しても改善しなかった場合は、派遣先・派遣元共に罰則があります。
3年ルールの目的は、派遣社員の待遇の改善であり、派遣先が3年目以降も就業を続けたいなら下記のような対策が必要です。
・部署や事業所を異動させる
・派遣元で正社員として雇用する
優秀な人材であればそのまま正社員として採用することで、費用をかけて採用活動するよりも自社内で実績を積んだ社員を獲得できるため、正社員雇用を視野に入れて派遣社員を受け入れることも視野に入れるとよいでしょう。
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派遣社員の採用コストを削減する7つの方法
採用単価を抑えながら歯科衛生士を採用するには、採用を行う求人サイト選びも重要です。
ここからは、歯科衛生士を採用する際に採用単価を抑えられる求人サイトを紹介します。
ミスマッチを削減する
正社員やアルバイトなどの雇用形態に関わらず、事前に聞かされていた仕事内容や社内風土と実際の内容に乖離があると、事前情報とのミスマッチからせっかく雇い入れた社員が早期退職する場合があります。
派遣社員の場合、事前に契約内容や派遣元スタッフから説明を受けますが、派遣元への説明が不足すると派遣された社員が「事前に聞かされていた仕事内容と違う」と感じてしまうでしょう。
派遣社員は契約期間があるためすぐの退職にはつながりにくいですが、契約更新の時期に契約継続せずにそのまま離職してしまうかもしれません。
新たに人員確保の手間を増やさないためにも、採用のミスマッチを防ぐことは採用コストを削減するために重要なポイントです。
内部コストを見直す
採用コストは「外部コスト」と「内部コスト」にわけられ、内部コストは社内で発生した費用を指します。
「無駄な作業があるか」「非効率な方法で仕事をしていないか」といった観点で人件費や業務効率を見直すと内部コストを削減することが可能です。
企業によっては採用業務のマニュアル自体が整備されていない企業もあるため、採用業務に関する作業マニュアルを作成しましょう。
求人広告媒体を見直す
出稿している求人広告が効果的に活用できているのか、検証しましょう。
費用対効果はもちろんですが、出稿媒体と自社が求める人材のターゲット層が合っているのかを確認することも、採用コストを削減するためには重要です。
「出稿媒体」「出稿時期」「応募者の大まかな区分(セグメント)」「応募者数」「採用人数」などを検証しながら改善点がどこにあるのか検証を進めることで、採用コスト削減へつなげることができます。
助成金を活用する
下記の条件を満たしていれば、人材を採用した後で国から助成金をもらうことができます。
・労働基準法など労働関係法令の違反がないこと
・支給のための審査協力に応じること
・就業規則や出勤簿などの支給のための審査に必要な書類を作成や整備、保管していること
・申請期間内に申請を行うこと
申請書の作成や審査があるため手間と時間がかかりますが、助成金を活用できれば大幅に採用コストの削減につながります。
助成金の申請について不安がある場合には、採用コンサルタントの利用を検討するとよいでしょう。
採用代行を使用する
業務改善を複数回行っても業務量が多くて人手が足りない場合や、採用担当者がメインの業務に集中できない場合には、採用代行を使うことを検討しましょう。
「出稿媒体」「出稿時期」「応募者の大まかな区分(セグメント)」「応募者数」「採用人数」などを検証しながら改善点がどこにあるのか検証を進めることで、採用コスト削減へつなげることができます。
業務量が多いと感じる部分をプロに任せて、面接や合否の判断といったメインの業務に集中できる環境を整えましょう。
採用コストの一部である内部コストには採用担当者の人件費や業務費用、残業代のほか、一時的に雇用した派遣社員やアルバイトの人件費も含まれるため、採用代行に一部の業務を代行してもらった方が作業効率が上がり採用コストの削減につながります。
自社採用サイトを活用する
エン・ジャパン株式会社が2017年に行った行った求職者アンケートによると、転職活動中で企業に関する情報収集を行なう際、求職者の9割が企業ホームページ、7割が採用ページから企業情報を調べていることが分かりました。
企業ホームページを確認する求職者が、2年前にくらべて10%以上増加しているデータがあることから、年々企業ホームページや採用ホームページの重要性が増していると言えるでしょう。
求職者が企業のホームページや採用ページを調べるようになった背景には、「ブラック企業」や「パワハラ問題」などがあると思われ、求職者と企業のミスマッチを恐れて企業選びに慎重になっている人が以前よりも増えたために、社長メッセージや企業理念や社風部分で、自分に合った会社かどうかを調べているのです。
逆に考えれば、企業ホームページをはじめとした採用情報の発信が採用の結果を左右する可能性があるということでもあり、展開する事業やサービス概要、給与といった求職者が知りたい情報を発信することが重要となっています。
求職媒体よりも自由度が高い自社の採用サイトであれば、多種多様な自社情報を発信できるため、求職者とのミスマッチを防げる可能性が高まり、早期退職による採用コスト増加を予防することができるでしょう。
離職させないフォロー体制を作る
せっかく受け入れた人材でも離職されてしまうと、抜けた穴を埋めるために採用活動を始めなければなりません。
採用する機会を減らすことは直接採用コスト削減につながるため、既存の社員を離職させない施策を立てることも採用コストを削減するひとつの手段です。
職場や業務に対する不満をヒアリングし、なるべく長く自社に留まってもらうようフォロー体制を整えましょう。
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まとめ
派遣社員を受け入れる際にポイントになるのは、3年で離職する人員としてとらえるのではなく、見込みのある人材であれば正社員採用も視野に入れて派遣社員を受け入れることです。
派遣社員を正社員に格上げして長期採用することで、採用する機会を減らして直接採用コスト削減につなげることができます。
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