中小企業の採用サイト事例7選と5つの作成ステップ
人材不足が深刻化するなか、地方の中小企業にとって求人への応募を増やすことは非常に難しくなっています。
採用強化に向けて大企業だけではなく、中小企業でも採用サイトを持つ企業が増える傾向にあるのです。
この記事では、中小企業の採用サイト作成事例を踏まえながら、中小企業が自社の求人サイトを作成する際のポイントを紹介します。
参考にすべき中小企業の採用サイト7選
まずはじめに、中小企業の採用サイトを作成する上で参考になる採用サイトを7つ紹介します。
中小企業の採用サイトはどのような内容なのか、デザインや特徴に触れながらみていきましょう。
ポーターズ株式会社
ポーターズ株式会社は、人材ビジネス向けクラウドサービスの開発や提供・導入支援のコンサルティング事業を展開し、代表的な人材マッチングシステム「PORTERS」は約2000社の導入実績を誇る企業です。
「I'm a Porter. Fighter. Dreamer.」というキャッチフレーズとともに多様な人種の写真が大きく掲載され、国際的に事業を展開している企業であることを前面に押し出してアピールしていることがわかります。
上部メニューバーから「Porter.」「 Fighter.」「 Dreamer.」ごとに、ポーターズ株式会社の説明・ポーターズ株式会社の掲げるミッション・ポーターズ株式会社を通して夢を叶えたというストーリー動画「少女の夢」と、それぞれのワードに対応したコンテンツにリンクする仕組みになっており、サイトトップを飾るキャッチフレーズに対して説得力を持たせているデザインです。
株式会社Leo Sophia
株式会社Leo Sophiaは、土地活用や不動産運用に関するネットメディア事業や、YouTubeやInstagramで活躍するインフルエンサーとともに自社制作の化粧品やランジェリーの販売を行うインフルエンサー事業など、インターネット領域を中心に幅広く事業を展開している企業です。
アニメーションで動く会社ロゴやスクロールに合わせてポップアップするキャッチフレーズやコンテンツなど、技術を凝らしたデザインを導入し、Webメディアに強くインターネットを中心に事業展開している企業であることをアピールした採用サイトに仕上がっています。
社員インタビューにも力を入れており、各社員ごとに1ページすべてを使用したロングインタビューを掲載し、株式会社Leo Sophiaに所属する社員が入社した経緯や仕事のやりがいといった情報が詳しく確認できるのも特徴です。
株式会社アスカフューネラルサプライ
株式会社アスカフューネラルサプライは葬祭業を担う企業で、葬儀施設運営や仏壇仏具販売・ペット火葬代行といった葬儀にまつわるさまざな事業を展開しています。
「活き活きと働くとは何か?」をテーマに、入社3ヶ月の新入社員にフォーカスを当てた採用コンセプトムービーを掲載しており、実際に働く様子を見ながら葬祭業のやりがいや大変さ・自分の企画が通ったときの達成感といった会社の魅力が分かるコンテンツが特徴です。
葬祭業を担う企業ですが、横文字を多用しているため儀礼的な堅いイメージではなく、全体的にポップで親しみやすいデザインの採用サイトとなっています。
株式会社三扇堂
株式会社三扇堂は主にプロモーション事業を展開する企業で、自動車販売関連のプロモーションは約30,000件以上の実績を誇り、日本料理店の海外展開に関するプロモーションや社内事業のデジタル化といったコンサルティング企業も展開しています。
採用サイトのデザインはシンプルで、「会社説明」や「社員インタビュー」「募集要項」といったコンテンツが分かりやすくまとめられているため、採用サイトを訪れた求職者は迷うことなく必要な情報にたどり着くことができるでしょう。
株式会社ホクリクコム
株式会社ホクリクコムは主にアプリケーション開発を担う企業で、バスの運航を確認することができるバスロケーションシステムや、バスや電車の乗車券をスマートフォン上で購入することができる電子乗車券システムなど、主に交通事業にまつわるアプリケーション開発の実績が特徴的です。
仕事内容の紹介ページは、大まかに「何をするのか」という説明ではなく、各部署ごとに「どのような仕事を行っているのか」がわかる説明になっており、求職者が配属先ごとにどのような仕事をするのかイメージしやすいものとなっています。
「社内の研修制度」や「福利厚生の説明」「入社にあたってのよくある質問の回答ページ」など、求職者目線で「どのような情報が欲しいか」を考え抜いたコンテンツが多く掲載されており、全体的に見ても求職者に寄り添ったコンテンツ内容が目立つ採用サイトです。
株式会社松栄寿司
株式会社松栄寿司は主に寿司を提供する料理店を展開する企業で、創業40年以上を誇る企業です。
地域に根ざした企業であることを全面的にアピールした採用サイトに仕上がっており、「企業理念」や「社員インタビュー」「保護者への説明ページ」に至るまで、「地域で1番の企業を目指す」というフレーズが使われていることが特徴といえます。
アルバイトや正社員などの雇用形態や、キッチンスタッフや店舗運営などのキャリアプランごとに応募概要のページが分かれており、求職者にとって応募したい業種の情報が見つけやすいでしょう。
株式会社ベアハグ
株式会社ベアハグはトータルライフケアカンパニーを掲げ、エステやマッサージなどの整体関連事業やスポーツトレーナー養成学校の運営など、さまざまな事業を展開している企業です。
新入社員に1週間密着取材した動画が掲載されており、業務内容や1日のスケジュールといった情報を実際に働いている様子と合わせて確認できます。
社員研修やキャリアプランについて詳細な説明がされており、社員教育に力を入れている企業であることをアピールしていることがわかるでしょう。
中小企業の採用の課題と採用サイトを作るメリット
中小企業が採用サイトを作ると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
他社との差別化や採用のミスマッチ解消など、中小企業が採用サイトを作ると得られるメリットについてみていきましょう。
中小企業が抱える採用課題とは
中小企業庁の調査「2019年中小企業白書」の「人手不足の状況 第4章」によると、従業員500人以上の事業所の求人数が10年以上横ばいなのに対し、規模の小さい事業所は求人数を増やしている結果となりました。
また2013年第4四半期以降すべての業種で、「人手が足りていない」と答えた企業の割合が優勢となり、特に建設業やサービス業といった労働集約的な業種で人手不足の傾向が強くなっています。
中小企業が抱える主な採用課題は次の4つです。
・大手企業と比較して自社の認知度が低く、応募者が集まらない
・自社への志望度を高めることができず、内定辞退が多い
・入社後のミスマッチによる早期離職が多い
これらの採用課題を解決するために、人材採用を目的としたWebサイトである「採用サイト」に注目が集まっています。
中小企業が採用サイトを作る2つのメリット
ここからは、採用のミスマッチや他社との差別化といった課題を抱える中小企業において、採用サイトを作成するメリットはなにかみていきましょう。
ミスマッチを減らすことができる
自社の公式サイトを既に作成してあれば、基本的な自社情報を公式サイト上で伝えることができますが、採用サイトであれば自社の公式サイトでは伝えきれない企業の魅力も紹介できます。
自社内の雰囲気や実際に働く社員の1日のスケジュールを掲載することで、応募者が実際に働く姿をイメージしやすくなり、採用サイト上で企業理念や考えなども伝えられるため、求職者からの共感を得られるだけでなく内定辞退者や早期退職者の減少につなげることが可能です。
採用サイト上で自社の仕事を詳細に説明することで「入社後にどのような仕事をしてほしいのか」を明確に提示できるため、欲しい人材を効率的に確保できるメリットもあります。
他社と差別化ができる
採用サイトを導入してうまく運用できれば、採用サイトで自社の特色や特徴・仕事の魅力を積極的に発信でき、他社との差別化を図ることができます。
中小企業の場合、大企業の求人内容と比較すると労働条件や福利厚生などの点でどうしても見劣りがちです。
自社で自由にデザインやコンテンツを作成できる採用サイトであれば、労働条件や福利厚生などの情報では知ることができないような自社ならではの魅力を余すことなくアピールできます。
「入社して早い段階で実践的な業務にチャレンジできる」といった、応募者によっては大手よりも魅力的に感じる条件を提示することも可能です。
自社の特色を前面に出すことで応募者に認知されやすくなるため、現役就活生だけでなく将来的な潜在層を厚くすることにも役立つでしょう。
中小企業の採用サイトに入れるべき5つのコンテンツ
中小企業が採用サイトを作成する上では、自社情報をいかに発信するかがポイントです。
ここでは、「企業理念」や「募集要項・待遇」といった基本的な項目以外にどのような項目を採用サイトに入れるべきかを紹介します。
1日の仕事の流れ
自社に所属する社員の1日のスケジュールを紹介するコンテンツです。
職種ごとに業務の流れを紹介することで、入社後の働き方をイメージしてもらいやすくなります。
実際に働いている様子に加えて、プライベートの過ごし方にも触れることで、ワークライフバランスが整った会社であることをアピールできるでしょう。
社員紹介
自社にどのような社員が所属しているかを紹介するページです。
「求職者が職場に馴染めるかといった不安を払拭できる」「企業で働くイメージがより具体的になる」といったメリットが得られます。
加えて求職者が事前に自社や業務に対する具体的なビジョンを持てるようになり、企業に最適な人材の応募が増える効果もあるため、人材の定着につながるでしょう。
企業文化・風土
自社の社風やどのような風土があるかを紹介するページです。
企業文化や歴史についても触れたコンテンツだと、より自社への理解を深めてもらえるでしょう。
特に企業文化に関しては入社してから感じる部分が多く、言語化されていない取り組みや部活動などがあれば参加レポートのような形でまとめると、わかりやすい内容に仕上がります。
インフォグラフィックス
インフォグラフィックスとは、言葉や数字だけでは伝わりづらい情報を「整理」「分析」「編集」してイラストやグラフなどで表現したものです。
採用サイトにおいては、「企業実績」や「社員の残業平均時間」「育休・有給取得率」など、文章だけでは伝わりづらい自社の特徴や強みを円グラフや棒グラフに落とし込むことで、求職者に伝わりやすくなります。
多くの情報をイラストやグラフでわかりやすく伝えることができるでしょう。
顧客・クライアントへのインタビュー
企業の特徴や魅力を顧客の声を通して訴求するコンテンツです。
第三者である社外の人が自社を語ることで説得力が増すと同時に、自社が社会に対してどう貢献しているかをアピールすることにもつながります。
自社のサービスや商品を通してクライアントがどういった恩恵を得られたのかといった話題以外に、自社とクライアントと共同で行った企画といった話題も盛り込むことで、自社とクライアントとの距離の近さや関わりの深さを感じられる内容に仕上がるでしょう。
※詳しくはこちら→【必見!採用サイトに掲載すべき7つのコンテンツと4つの制作ステップ】
中小企業の採用サイトの作り方5ステップ
ここからは、実際に中小企業が採用サイトを作成する際のステップを5つに分けて紹介します。
採用サイトの作り方は「外注」と「自社制作」の2通り
採用サイトを作る方法はおもに自社制作と外注の2通りがあります。
どちらもメリットとデメリットがあるため、自社にとって最適な方法がどちらか検討しましょう。
自社制作であれば急なデザイン変更やコンテンツ追加もすぐに対応できるメリットがありますが、Web制作ができる人材の確保が必要になるデメリットも存在します。
《外注》
自社内で人材確保をしなくて良い点がメリットですが、ランニングコストも含め費用がかかり、急な更新や変更ができない点がデメリットです。
コスト削減のため企画とデザインは自社で行い、プログラミング言語でソースコードを作成すること(コーディング)のみを外注することもできます。
中小企業の採用サイトを作る5つのステップ
外注と自社制作のどちらにも共通する、採用サイト制作を行う上で必要な5ステップをみていきましょう。
ターゲットを明確に設定する
どのような人材に向けたサイトにするのかを決めるために、求める人材のターゲット像を設定します。
「どのような経験やスキルを持った人に自社に来てほしいのか」を具体化することで、どのようなコンテンツに求職者が魅力を感じるかが明らかになるのです。
載せるコンテンツを決める
応募へのアクションを促すための情報提供はもちろん、候補者の興味醸成や応募数増加につなげるために、どのようなコンテンツを載せるかを決めます。
企業情報や募集要項だけでなく、社員インタビューやキャリアプランの紹介など、あらかじめ決めたターゲット像が欲しいコンテンツを載せるとよいでしょう。
ワイヤーフレームとデザインを決める
ワイヤーフレームとは、Webページのレイアウトやコンテンツの配置を決める設計図のことです。
自社の求職サイトを訪れた求職者に採用サイトを回遊してもらった上で、最終的に応募フォームに進んでもらえる導線づくりを意識しましょう。
採用サイトのデザインは、あらかじめ決めたターゲットが好むデザインにするとページの離脱率を抑えることができます。
サイトを制作する
ターゲットの設定やデザインなどの採用サイトの企画が整ったら、サイト制作に進みましょう。
最近はスマートフォンでの表示を前提にしたデザインで設計されることが多いですが、パソコンやタブレットなど異なる画面サイズに応じて採用サイトが適切に表示されるよう設計することがポイントです。
外注する場合、採用サイトの企画が整った時点で依頼をかけます。
サイト公開・運用
採用サイト公開後は、アナリティクス分析ツールなどを活用して採用サイトへの流入数や滞在時間・離脱率などを分析し、課題点に修正を加えていくとよいでしょう。
採用サイトを公開するだけで流入数を増やすことは難しいため、TwitterやInstagramなどのSNSを利用し、採用サイトを定期的に更新しながら積極的に情報発信し続けることが重要です。
まとめ
中小企業において、大手企業との差別化や採用後のミスマッチ防止につながることから、採用サイトを制作するメリットは十分あるといえます。
ユニークなデザインの採用サイトを制作すれば口コミを経由して自社の知名度が高まることもあるため、採用活動以外のメリットにも期待できるでしょう。
この記事を参考に、採用サイト制作を始めてみてくださいね。
自社で採用サイトを制作するノウハウがない場合は、採用サイトの制作サービスを利用するのもひとつの手です。
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