エンジニアの採用単価は高い?おすすめの採用方法と単価を抑えるコツ
「エンジニア」とは「技術者」のことを指し、現代では「エンジニア」というと「ITエンジニア」のことがほとんどです。
企業の業務システムのIT化が進むなかで、エンジニアを必要とする企業が増えたために、エンジニアの採用単価の高さに頭を悩ませている企業も増えています。
この記事では、エンジニアの採用単価が高い理由や、エンジニアの採用方法について解説しましょう。
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エンジニアの採用単価の相場と計算方法
エンジニアは大きく分けて、以下の3種類に分かれます。
Webサイトといったユーザーが直接目にする画面のプログラミングを担うエンジニア
サーバーサイドエンジニア
システムの裏側でデータを管理するサーバーのプログラミングを担うエンジニア
アプリエンジニア
スマートフォン向けアプリの開発を担うエンジニア
では、エンジニアの採用単価と計算方法の詳細についてみていきましょう。
エンジニアの採用単価の相場
採用単価に含まれる費用は「外部コスト」と「内部コスト」の2つに分かれます。
外部コストとは、求人広告費や会場費、会社案内パンフレット作成費などの外部に支払う費用で、内部コストは面接官の人件費や内定者の交通費などの会社内部で発生する費用です。
株式会社マイナビが行った中途採用状況調査2020年版、2021年版によると、エンジニアの採用単価は以下のように全業種の平均採用単価よりも約300万円高く、エンジニアの採用単価相場は2019年から2020年にかけて約200万円上がっていることがわかります。
2019年 |
2020年 |
|
全業種の平均採用単価 |
674.1万円 |
688.4万円 |
IT・通信・インターネット業界の採用単価 |
898.5万円 |
1,094.5万円 |
採用単価の計算方法
「採用単価」とは、外部コストと内部コストを合わせた採用1人あたりにかかる費用で、計算方法は以下です。
例えば採用にかかった総額が6000万円、採用人数が10名の場合、採用単価は600万円となります。
採用単価をいかに抑え、かつ良い人材を確保するかは採用担当者が常に意識ことですが、エンジニア採用の場合、全業種の平均採用単価より採用単価が高いため、エンジニアを採用したい企業は採用単価を抑えることをより意識する必要があるのです。
エンジニア市場の変動と採用単価が高い理由
ここからはエンジニア市場はどのように変わってきているのか、エンジニアの採用単価はなぜ高いのかについて説明します。
エンジニア市場の変動
多くの企業には、時代にそぐわない老朽化したレガシーシステムがあり、業務効率化の妨げになるのみでなく、システム自体を扱えるエンジニア自体が少なくなってきています。
2025年にレガシーシステムを扱える希少なエンジニアが、定年といった理由で職場を離れ、アプリケーションのサポート切れが同時に発生する見込みです。この問題を「2025年の壁」と呼びます。
レガシーシステムを抱えたままではAIやIoTに対応できないため、企業はエンジニアを増やし、2025年問題に対応する必要があるでしょう。
2025年の壁に加えコロナ禍でIT化に追い風が吹いていることからも、エンジニア市場は求職者にとっては売り手市場となり、企業にとってはエンジニアの取り合いで厳しい状況へと変動しています。
エンジニアの採用単価が高い理由
エンジニアの採用単価が高く、企業にとっては採用が難しい状態に変動していることについて解説してきました。
ここから、なぜエンジニアの採用単価が高いのか、その理由についてみていきましょう。
エンジニアの数が少ないから
エンジニアの採用単価が高い理由の1つとして、エンジニアの人数が少ないことが挙げられます。
エンジニアの人数が少ないおもな理由は、以下の3つです。
◆理由1:少子高齢化問題
日本国内で少子高齢化が進んでいることが、他業種と同様にエンジニアの採用においても影響を及ぼしています。
◆理由2:エンジニア労働環境へのイメージ
エンジニアの仕事は長時間労働で深夜労働が当たり前といったイメージがありました。
実際にエンジニアの労働環境が、あまり良くない企業もあったことは事実でしょう。
今は働き方改革やエンジニアの人材不足により、無理な労働を強いる企業も減ってきていますが、一度定着したイメージがなかなか変わらず、エンジニア希望の求職者が増えない要因の1つとなっています。
◆理由3:IT需要拡大のスピード
IT需要の拡大スピードにエンジニアとして新規雇用した人材の育成が追いついていないことも、エンジニアの採用単価が高い理由の1つです。
IT技術の進化はめまぐるしく、一度習得した知識やスキルもすぐに変化してしまうため、エンジニアとして就職した後も学び続ける必要があります。
慢性的なエンジニア不足により、エンジニアの育成環境が整備されていないことも多く、エンジニアとして採用されてもなかなかスキルアップしづらいことや、IT技術のアップデートについていける人材が少ないこともエンジニアの人材不足につながっています。
これらの理由から、エンジニアの人材不足が発生し、エンジニアの人数が少ないことで採用市場が激化し、エンジニアの採用単価が上昇しているのです。
エンジニアの市場価値が高いから
採用市場では、採用したい企業が多く求職者が少ない場合、求職者の取り合いが発生し、採用しようとしている人材の市場価値が高まります。
エンジニアも人材が少ないため、市場価値が高くなるのです。
エンジニアの市場価値が高いため、他の求人より多くの求人媒体に求人広告を掲載したり、人材エージェントに支払う成功報酬が高くなったりするために、エンジニアの採用単価が高くなってしまいます。
※採用コストについて詳しくはこちら→
→【中途採用の費用とは?予算の組み方からコストを抑える5つのポイント】
エンジニア採用におすすめの求人サイトと採用方法
ここからはエンジニア採用に特化した求人サイトと、求人サイト以外におすすめの採用方法について解説します。
エンジニア採用におすすめの求人サイト
エンジニア求職者が求人サイトを選ぶポイントは、おもに以下の5つです。
求職者に選ばれる求人サイトこそが、エンジニア採用に特化した求人サイトになります。
・求職者の転職目的(用途)に合致するか
・条件の絞り込み機能など、サイトの操作方法がわかりやすいか
・居住地や勤務地の求人情報が載っているか
・エンジニア転職で実績があるか
5つのポイントを踏まえた上で、エンジニア採用におすすめの求人サイトをみていきましょう。
エンジニアの転職type
type公式サイトによると「会員数約340万人のうち、エンジニア経験者の比率は大手総合転職サイトの3倍」となっており、多くのエンジニア経験者の会員を抱えています。
またAIで最適な求人情報とのマッチングや、転職活動の管理もアプリひとつで行えるため、求職者の操作性が高い点も特徴でしょう。
typeはエンジニア採用の求人数が豊富で、独自のエンジニア転職イベントやエンジニアのWebマガジンでの集客力も強いため、集客力のある求人サイトを活用したい場合におすすめです。
Green
公式サイトによるとGreenは、IT業界最大級の求人数を誇り、IT業界を中心に15,000件以上の求人情報を掲載しています。
セミナーやイベントも開催しており、記事コンテンツを通して効率的に求職者に効果的なアプローチが可能です。
費用形態は掲載期限が無期限、掛け捨てリスクを抑えた成功報酬モデル型のため、自社で求人運用を行いつつ、採用ノウハウも構築したい企業にとっては活用メリットが大きいでしょう。
dodaエンジニア IT
dodaエンジニアITは、エンジニアの職種ごとに専任チームを組んでいるため、エンジニアの職種ごと、各現場の実情に合った最新の情報を提供できます。
dodaエンジニア IT公式サイトによると「転職者の約60%が経験者のIT/Web系人材。年齢層も25〜35歳が60%を占め、若手経験者の採用に強い」採用サイトです。
若手の経験者を採用したい企業におすすめのエンジニア採用サイトといえるでしょう。
求人検索エンジン
「求人検索エンジン」とは、GoogleやYahoo! と同じような情報検索エンジンの求人情報版のことです。
求人検索エンジンについて、詳しく紹介します。
Indeed(インディード)
Indeedは求人検索エンジン最大手で知名度も高く、エンジニアの求人情報も網羅されているため、多くのエンジニア求職者がIndeedを利用しています。
Indeedへの掲載は無料でも利用できるため、採用単価の高いエンジニア採用において、メリットが大きいといえるでしょう。
求人ボックス
求人ボックスはIndeedに次ぐ国内求人検索規模を誇っています。「食べログ」や「価格.com」などのサービスを長年運営している、「カカクコム」が求人ボックスも運営しているため、ユーザー目線に合わせた使いやすい設計が特徴です。
求人ボックスへの求人掲載は無料でも掲載可能で、クリック課金型の有料掲載の利用も可能であるため、料金の管理もしやすいメリットがあります。
スタンバイ
スタンバイへの求人掲載は無料で行うことができ、希少な職種にも対応しているため、ニッチな業種のエンジニアを募集したいときにもおすすめです。
求人掲載有料プランにすると「Yahoo! しごと検索」との連携ができ、Yahoo! しごと検索でも、キーワード検索に連動して上位表示され、ユーザーの目に留まりやすくなります。
採用支援サービス
「採用支援サービス」とは、採用に特化した専門の会社が求人募集を行っている企業の採用業務の一部もしくは全部を代わりに行うことです。
採用支援サービスについて、詳しく紹介します。
レバテックキャリア
レバテックは業界歴15年、ITエンジニアとデザイナーの専門エージェントです。
エンジニアとデザイナーの専門エージェントであるためエージェントの知識も深く、求人採用担当者自身が「どのようなエンジニアを採用すれば良いかわからない」場合にも的確なアドバイスで、採用活動を成功に導いてくれます。
LiBER(リーベル)
LiBERはIT特化型であるとともに、20〜30代のITプロフェッショナルに強い採用支援サービスです。
ITの中でも、20代~30代で現職がIT業界のエンジニアの転職実績が高い特徴があります。
若いエンジニア経験者の採用を行う際には、おすすめの採用支援サービスです。
マイナビITエージェント
マイナビITエージェントは転職サイト大手の、株式会社マイナビが運営するIT業界専門の転職エージェントサービスです。
大手が運営するIT業界専門のエージェントサービスのため、求職者・企業双方から知名度が高く、利用者も多くなっています。
IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーがいるため、経験やスキルに合った採用活動が可能です。
自社採用サイトの作成
「自社採用サイト」とは、企業ホームページとは異なり「採用に特化した自社サイト」のことを指します。
自社の求人サイトであるため好きに作り込むことができ、エンジニア採用に特化した自社採用サイトを作ることで、エンジニア求職者の応募増加も狙えるでしょう。
トルー
トルーはプログラミング不要で誰でも簡単に自社採用サイトを作成でき、サイト作成後の運用・応募管理まで、トータルな採用マーケティングが可能です。
不明点が出てきても、専属カスタマーサポートがツールの使い方や運用方法をアドバイスしてくれます。
トループラグイン機能を活用すると、既存サイトのドメイン配下に採用サイトを構築でき、既存サイトのドメインパワーを活かすことで、自社採用サイトが求職者の目に留まりやすくなるのです。
iRec(アイレック)
iRecのテンプレートを使用することで、低価格でハイクオリティな自社採用サイトを作成でき、最短2週間でのサイト公開も可能です。
Indeed・求人ボックス・スタンバイなどの求人検索エンジンへ自動連携できるため、各検索エンジンに掲載させる手間も必要ありません。
またFacebook・Twitter・InstagramなどのSNSとも連携できるため、SNSを使った採用活動が展開できます。
リファラル採用(推薦・知人紹介)
「リファラル採用」とは、自社ですでに働いている社員からの推薦や紹介によって採用活動を行うことです。
自社ですでに働いている社員からを介しているため、入社後のミスマッチも起きにくく、転職市場に出てこない求職者も採用できます。
また、2021年8月5日株式会社HERP作成「エンジニア採用における経路別の成果に関する調査レポート」によると、エンジニア採用経路において、リファラル採用(18.0%)は人材エージェント経由(30.0%)に次いで全体の第2位でした。このことからもエンジニア採用におけるリファラル採用の重要性がわかります。
ここからは、リファラル採用専門サービスを紹介していきましょう。
HERP Hire(ハープハイアー)
HERP HireはGreenなどIT業界が多く利用している15の求人媒体と連携しています。
特にエンジニア採用を行う企業が利用していることが多い採用管理システムです。
採用担当者のみでなく、現場の社員が採用活動に積極的に参加する「スクラム採用」を取り入れています。
スクラム採用により、自社・募集職種の専門的な知識を持った社員が採用活動に参加し、スピード感・採用精度が高くなる効果が望めるでしょう。
Refcome(リフカム)
Refcomeは850社のリファラル採用支援で蓄積したノウハウと、経験豊富なアドバイザーで採用企業をサポートします。
紹介者のメールやアプリに届く専用ページを、リファラル採用したい友人に転送するだけで紹介の煩わしい手続きも不要です。
リファラル採用入社後の定着度や満足度などの効果を数値化し可視化することで、運用をサポートします。
ダイレクトリクルーティング(スカウト)
「ダイレクトリクルーティング」とは掲載求人情報に求職者が応募する「待ち」の採用活動ではなく、企業側が求職者にコンタクトを取り採用する「攻め」の採用活動のことです。
優秀なエンジニアはなかなか採用市場に出てこず、出てきたとしても採用企業同士で取り合いになってしまうため、ときには「攻め」の採用活用をすることが有効になります。
ここからは優秀なエンジニアを見つけ、採用する手助けとなるダイレクトリクルーティングスカウトサービスについて説明しましょう。
LAPRAS SCOUT(ラプラススカウト)
LAPRAS SCOUTはエンジニア150万人のデータベースがあるため、条件に合致する候補者を推薦してくれます。
エンジニアの絞り込みも、14種の職種での絞り込みや規模、課題での絞り込みが行えるため、自社に合った候補者の絞り込みも簡単です。
候補者の管理機能「タレントプール」を活用することで、アプローチに最適なタイミングも逃しません。
Forkwell Jobs(フォークウェル ジョブズ)
Forkwell Jobsはエンジニア採用に特化しており、経験・知識・スキルともに専門性が高く、即戦力のエンジニア44,000人が集まっています。
人材のスキルをレベル分けを行っているため、レベルに応じた検索も可能で、入社後のミスマッチも防げるでしょう。
エンジニアの採用について詳しくはこちら→
【採用サイトでエンジニアを採用!必要なコンテンツと作成ポイント】
エンジニアの採用単価を抑える3つのポイント
ここからは高まるエンジニアの採用単価を抑えるにはどうしたら良いのか、3つのポイントに分けて解説します。
ミスマッチをなくす
採用後のミスマッチが発生すると、入社後に社員の離職や教育コストが発生し、再び採用活動を行う必要性が出てきます。
ミスマッチをなくすことで、追加の採用コストや余分な教育コストの発生を避けることができるため、採用単価が抑えられるのです。
ミスマッチをなくす方法の具体例をみていきましょう。
面接担当者が少ない場合、採用評価視点の偏りや、求職者から見た企業イメージの偏りからミスマッチが起きる可能性があります。
面接担当者や面接回数を増やしたり、オンライン面談を録画し面接担当者以外も採用に参加したりすることでミスマッチを防ぐ可能性が高まるのです。
例2:求人票の見直し
求人票に載せている情報が少ない場合、求職者が想像する業務内容と、実際の業務内容の乖離からミスマッチが発生する可能性があります。
情報はできる限り詳細に記載したり、職場のイメージが伝わる写真を掲載したりしてミスマッチを防ぎましょう。
採用方法を見直す
自社に合った採用方法を選択すると、採用活動期間を短くすることができます。
「どのような採用方法を選択するか」を見直すことで、採用単価を抑えられるでしょう。
エンジニアの採用は困難な状況のため、リファラル採用やダイレクトリクルーティングの活用がおすすめです。
優秀な人材ほど求人媒体や人材紹介のような待ちの採用方法ではなく、採用側から声をかけた攻めの採用を取ったほうが求人募集期間も短く済み、ミスマッチも発生しにくいため、採用単価を抑える効果が期待できるでしょう。
働きやすい環境を作る
退職者が少なければ新たな採用コストが発生せず、社員同士で知識の共有や教育を行うことができます。
働きやすい環境を作り、退職者を出さないことも採用単価を抑えるポイントのひとつです。
企業は定期的な面談を行い、社員の不満や不安を早期解決に導いたり、現場エンジニアの希望するパソコンやモニターなどのツール導入をしたりすることで、働きやすい環境を作ることができます。
まとめ
エンジニアの採用単価は高く、エンジニアの人材不足から発生する企業のエンジニア採用難は、しばらく続く見込みです。
採用難を乗り越えるためには、エンジニア採用に適した求人サイトや採用方法を活用しつつ、エンジニアの採用単価を抑えていくことが重要となります。
この記事の内容を活かし、自社にあった求人サイトを選んだり、採用単価を少しでも抑えたりして、自社に合ったエンジニアを採用しましょう。
それでもエンジニアの採用単価を抑えることが難しいと思われる場合は、Indeedと連携している採用管理システムを利用したり、Indeedに精通した代理店にお願いしたりすることも視野に入れると良いでしょう。
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自社採用サイトを効果的に使うことで、自社の認知度アップや応募数のアップが見込める点がメリットです。